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AIはサイトの深部を読むが、人間はトップページにしか来ない

AIツール

人間は来ないのに、AIはどんどん読んでいる

あなたのウェブサイトのアクセス数が最近落ちている。
でもGoogleで検索すると、自社のコンテンツが回答に使われているような気がする。
この「なんか変だな」という感覚は、おそらく気のせいではありません。


何が起きているのか

GoogleがAIによる検索結果の概要(AI Overview)を表示するようになって以来、ユーザーがリンクをクリックする割合が大きく下がっています。

米Pew Research Centerが約900人の米国成人を対象に行った調査では、AI概要が表示された場合の従来リンクへのクリック率は約8%
AI概要が表示されない場合の15%と比べると、ほぼ半分です。

さらに厳しいのが、AI回答の中に引用として含まれたリンクのクリック率です。
こちらはわずか約1%にとどまっています。
「引用されているのにほぼ誰も来ない」という状況が、数字として示された形です。

メディア側のデータも深刻です。
ウェブ計測ツールのChartbeatがAxiosに提供したデータによると、2024年12月から2025年12月の1年間で、Google検索からのページビューはネットワーク全体で34%減少しました。
小規模パブリッシャーに至っては、2年間で検索流入が約60%失われたとされています。
Business Insiderも3年間で自然検索トラフィックが55%減少したと報じられており、廃業に追い込まれた小規模メディアも出始めています。


「AIはウェブを殺している」は本当か

ここまでの数字を見ると、「AIがウェブを壊している」という悲観的な見方も理解できます。
ただ、実態はもう少し複雑なようです。

Similarwebが発表した2026年版の生成AIレポートによると、AIプラットフォームが人間をウェブページへ送り込む量は減っているものの、AI自体がウェブを読み込む量は逆に増え続けているとされています。

つまり、こういうことです。

  • 人間のクリック → 激減
  • AIによるクリック(情報収集) → 急増

ChatGPTが回答する際にリアルタイムでウェブを検索・引用するケースも増えており、コンテンツは「人間に直接読まれる」より「AIに読まれて要約される」という形で消費される時代に入りつつあるといえます。


ウェブの構造が「逆さま」になっている

元記事のタイトル「AIは深いページを引用するが、人間はトップページにしか来ない」は、この状況を端的に言い表しています。

AIは検索クエリへの最適な回答を求めて、サイトの奥深くにある専門的なページや個別記事を参照します。
一方で人間が直接流入するとき、多くの場合は入口となるトップページやカテゴリページにとどまります。

多くのウェブサイトは「まずトップページで興味を持ってもらい、深部のコンテンツへ誘導する」という設計で作られています。
しかしAI時代においては、深部のページこそが「AIに読まれる資産」であり、そのページが直接検索の答えとして使われる可能性があります。

「誘導する構造」より「各ページが単独で価値を持つ構造」が求められている、という転換が起きているのかもしれません。


チャットボット経由の流入は本当に増えているのか

ChatGPTやPerplexityといったAIチャットボットからの流入については「代替の流入源になる」という期待も一部にあります。
確かにチャットボット経由のリファラル(流入元)は前年比200%超で成長しているとされています。
ただし、パブリッシャー全体のページビューに占める割合はまだ1%未満です。

成長率は高いが、絶対数はまだ小さい。
これが現時点での正直な評価です。


今後どうなるのか

AI概要の表示範囲は今後も広がると考えられます。
Googleがこの方針を転換する理由は現時点では見当たりません。

一方で、AIが情報ソースとして引用するサイトの信頼性評価や、著作権に関する議論は各国で続いています。
「AIに読まれること」自体がビジネス価値を持つようになれば、サイト設計の考え方も根本から変わる可能性があります。

たとえば「人間に見せるUI」と「AIに読ませる構造化データ」を分けて考えるアプローチは、すでに一部の技術者の間で議論され始めています。
まだ答えが出ていない領域ですが、注目しておく価値はあるでしょう。


まとめにかえて

「アクセスが減っているのに引用はされている」という逆説は、これからのウェブの本質的な問いを突きつけています。

コンテンツの価値とは「人間に読まれること」なのか、それとも「正確な情報として存在すること」なのか。

AI検索が当たり前になる世界では、「集客のためにコンテンツを作る」という前提そのものを問い直す必要が出てくるかもしれません。
すぐに答えは出ませんが、この問いを持ち続けることが、今のウェブに関わる人には求められていると思います。


出典: AI cites the deep pages but sends humans to the homepage — most sites are built backward – VentureBeat

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